トロール漁船の理想船型
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概要
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本報告はNPL(英国国立物理学研究所)におけるトロール漁船船型の抵抗および自航試験結果を統計解析して, 船型の改善をしたことが述べられている。これら船型の抵抗値は, 船型を表す無単位の要素, すなわち主要寸法比や船型を表す諸数値から成る多項式で求められる。この多項式を最小ならしめるような各船型要素の組合せを見出すことによって, 従来型に比べて優れた性能の船型が開発された。NPLの船舶部では, 船の線図, 推進器および船尾形状が分れば, 電子計算機を使って, 従来の水槽試験と同等の精度で, その船型の抵抗, 推進性能を算出することが現在可能である。それに関する船型の設計の手順についても述べられており, それによってC_pが0.60〜0.65の間にあり, しかも既存のものと同様な良好な航海特性を持つトロール漁船の設計が可能である。また, 他の設計上の要求があって, 船型学上の性能を制約するような場合には, その損失の程度を設計初期の段階で見積ることができる。
- 公益社団法人日本船舶海洋工学会の論文
- 1964-10-25