振動減衰抵抗の分布が船體の振動に及ぼす影響
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概要
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船體の振動減衰の原因は造波力によるものと載荷をも包含するが如き船體構造上から来るものとが重要である事を以前の論文で示して置いた。此の論文では之等の振動減衰抵抗が船體について如何に分布すれば最も効果があるかと云ふ事について調べたのである。研究の方法は數學的手段を主にし、更に特別な模型實驗で之を確めた程度である。減衰抵抗か構造的のものである場合には、抵抗が構造上の變形速度に比例するとしてよいから、船體構造の屈曲又は捩に對する中立面又は中軸から遠い部分、即ち強く延びたり縮んだりする部分に減衰抵抗を多く持たせる事が當然振動減衰に効果がある。減衰抵抗の船體の長さの方向についての分布に關しては次の如き條件がある。2節點の屈曲振動と1節點の捩振動とには減衰抵抗を船長の中央部附近に集める方法がよい。然し實際の船では夫れに役立つ載荷が必しも船の中央に無いから上の條件は充分には満足されない。何れにしても減衰抵抗を船の特定部分に集中して振動を少くする効果は、弾性抵抗を船の特定部分に集中して強度を増すのに比して遙に大なるものである。終りに造波力のための振動減衰について考へると、2節點の屈曲振動の場合には船の幅廣い中央部によつて減衰作用が行はれ、1節點の捩振動の場合には船の鉛直面の廣い雨端部によつて減哀効果を齋し得る事がわかる。
- 社団法人日本船舶海洋工学会の論文
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