低温度に於ける木材の強度に就て
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概要
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飛行機のpropeller用材なるmahoganyにつき常温より攝氏-50°迄の各温度に於てその壓縮試験及び衝撃試験を行ひ、低温度と機械的性質との關係につき實験した。その結果壓縮抗力は温度の低下に伴ひ幾分増大する傾向を有す。衝撃抗力は常温より零度附近までは温度の影響を受くること比較的小なるも、零度に至れば急激に減少し、-15C附近までは常温時抵抗力の約1/2となる。而して-20℃附近より又漸次抗力増加囘復する傾向のあるを認めた。この實験結果を考察するに、木材は低温即ち零度以下にては木質中に含まれる水分が氷結する爲め木質の硬化を來すと同時に著しく脆性を増加するものと思はる。依つて乾燥して水分を除去したものに就て試験した結果は温度により抗力の變化するを認められない。
- 社団法人日本船舶海洋工学会の論文
- 1933-03-30