側方滑走運動による上下顎大臼歯間の接触間隙の変化
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概要
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咀咽機能の回復は,臨床での補綴処置の重要な目的の1つであり,機能的な咬合面形態さらには対合関係を明らかにすることは重要な課題の1つである.本研究では,大臼歯の咬合面形態を3次元的に計測し,被験者固有の側方滑走運動による上下顎咬合面間の間隙の変化を求め,咬合面構成要素の機能の解明を試みた.その結果,側方滑走運動時の咬合面間に特徴的な圧搾空間が形成されていることが明らかとなり,この空間が咀咽機能の遂行に,重要な役割を担っていることが推察された.さらにまた,補綴処置にあたってこの圧縮空間を再構成するためには,上下顎頬側咬頭の十分な被覆と,上下顎歯列の咬頭の確実な咬頭嵌合の必要性のあることが明確となった.
- 社団法人日本補綴歯科学会の論文
- 1995-06-01