咀嚼時の食物動態に関する研究
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概要
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従来,咀暇の能力は,食物の粉砕の程度に主眼が置かれ,評価されてきた.しかし,咀咽行動には,食物の粉砕のみでなく,嘆下可能な食塊を形成することも不可欠である.その観点から,粉砕を受けた食物の示す動態に関して,独自に測定方法を考案し,検討を行った.本研究から,粉砕を受けた食物は舌側へ移動するという,咀咳の目的に沿った動態を呈していることが明らかとなった.また,咀暇に際し,口腔内諸器官が,いかに咀咽行動に参加しているかを推察することができた.この結果は,咀暇の能力に関する新たな評価法,あるいは,咀暇の目的に適した義歯の製作法を見い出す一助となると考える.
- 1996-06-01