調音機能と補綴物との関係 : III-1. パラタルバー設定位置が発音前の表情筋筋放電活動に及ぼす経日的変化様相
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概要
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歯科臨床において,有床補綴物の装着が,往々にして発音障害を惹起させることがある.有床補綴物装着,特に局部床義歯装着が,調音器官への影響および同器官における自己補正様相とを解明する目的として,連結装置であるバラタルバーの設定位置が異なる3種の実験的局部口蓋床を健常有歯顎者に装着させ,発音前の表情筋筋放電活動の持続時間と筋活動量を経口的に検索した.その結果,設定位置の異なるバラタルバーの口唇への影響は,中パラタルバーおよび前バラタルバーで少なく,その自己補正様相はすみやかに完了した.したがって,口唇の調音機能に配慮した局部床義歯調製時の連結装置としては,中パラタルバーおよび前バラタルバーが有利であることが示唆された.
- 日本補綴歯科学会の論文
- 1994-04-01