前歯部支台歯形成に関する研究 : 臨床経験および歯頸線の形態の相違がフルショルダー形態付与に及ぼす影響
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概要
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ジャケットクラウンによって補綴処置を行う場合,マージン部に金属色が存在しないため,マージンを歯肉縁上または歯肉頂縁に設定することが多いが,支台歯が変色または着色している場合では,歯肉縁下に設定すべきである.今回は,歯科医の臨床経験および臨床的歯頚線の最深部の垂直的位置の相違が歯肉縁下削除量に及ぼす影響について検討した.結果として,臨床経験の有無に関わらず,歯頚線の最深部の削除不足と隣接面部の削除過多の傾向を確認した.また,歯頚線の最深部が深い歯肉であるほど,近遠心の唇側面線角部でも削除不足傾向を示し,切削操作の困難性が示された.臨床上の種々の問題の原因が,補綴処置の第一段階である支台歯形成時に既に生じていることが多く,削除傾向の認識とトレーニングの必要性を指摘している.
- 社団法人日本補綴歯科学会の論文
- 1993-06-01
著者
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