I-3 水牛の耐暑特性-牛との比較
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概要
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暑熱環境下における沼沢水牛の耐暑特性を牛と比較した。水牛は"水浴"という行動を獲得することによって湿潤熱帯地域に適応した大型反芻動物であるが、被毛が粗で皮膚の色も黒っぽく汗腺も少ないために、暑熱環境に対する生理的適応性は、牛よりもむしろ低い。体温、呼吸数、心博数はいずれも牛より少なく、また体温は環境温度の影響を受けて、牛よりも大きく変動する。血液は濃縮された形のものになっているが、暑熱環境下では希釈される。呼気および体表面からの水分蒸散量は、常温でも暑熱環境条件下でも、牛に比べると少ない。他方、吸気中の酸素のとり込みは、牛より効率よく行われる。水牛の生理は"水浴"という行動をとることによって、緊急避難的に過体温をいつでも防止することができる、という前提で組み立てられており、水牛はこれによって、パンチングによる代謝エネルギーの消耗を節減したり、一定時間内での採食の効率を良くすることができるのかもしれない。
- 日本家畜管理学会の論文
- 1991-09-20
著者
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