暖温帯地方に生育するススキパッチのシュート密度の低下
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概要
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小林克実・横井洋太^*(2001)暖温帯地方に生育するススキパッチのシュート密度の低下.日草誌47, 460-470.静岡聖光学院(422-8021静岡県静岡市小鹿1440), ^*北里大学基礎科学センター(228-8555神奈川県相模原市北里1-15-1). ススキ(Miscanthus sinensis Anderss.)は高茎シュートのクローンパッチを形成する。パッチの地際面積(パッチ面積)とシュートの数や配置を測定し, クローンパッチの持続性の見地から, パッチのシュート密度とその動態の原因について調査した。5つのパッチのシュート密度を10年間にわたって測定した。その結果, 各パッチの密度は年々減少した。直立するシュートのパッチの多くは低密度の中央部をもち, パッチがさらに拡大すると中央部の密度はもっと低くなる。ただし, パッチの拡大とともに周辺部の密度もいっしょに低下する。小形パッチの中央部にも本来のシュートの空所ができる。調査後半の4年間, 5つのうち3つのパッチにおいてシュート密度の減少がとくに大きかった(これには他のパッチの影響も考えられる)。また, パッチは面積拡大が2, 000-3, 000cm^2になるころシュート数は最大値にたっし, その後は, クローンが拡大する間, シュート数は安定する傾向にあることもわかった。これらの結果より, 大形パッチにみとめられるシュート密度の予想外に大きな減少(パッチの衰退)には, パッチの内部空所の発達だけでなく周辺シュート数の少ないことが関与していよう。
- 日本草地学会の論文
- 2001-12-15
著者
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Yokoi Yota
Center For Natural Science Kitasato University
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KOBAYASHI KATSUMI
Shizuoka Seiko Gakuin
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Kobayashi Katsumi
Shizuoka Prefectural Agriculture And Forestry Coll.
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小林 克実
Shizuoka Seiko Gakuin
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横井 洋太
Center for Natural Science, Kitasato University
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