ヨーロッパにおける草地
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概要
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本報では,ヨーロッパ全域における草地開発や草地システムの歴史を概説した上で,現在の草地生産,草地利用について総説している。草地は牧草生育期には主に放牧利用とし,冬期間は乾草やサイレージとして利用している。これらは,反芻動物が消費する栄養素の約60%に相当する。ヨーロッパの草地では今,濃厚飼料等との競合による経済的問題,水質や大気汚染を抑制するための環境問題,生物多様性の増加や,景観保持の追及等の様々な問題があるので,ヨーロッパ全体における草地の重要性は今後とも変わらない。これからのヨーロッパにおける草地では,濃厚飼料等との競合のために反芻動物の飼料供給としての役割は減少するかも知れない。しかしながら,現在の集約的草地システムは環境汚染の危険性を減少させるようにしなければならない。また,環境保全のために草地を利用することは生物多様性や,景観保持,保水を目的とした地域において今後ますます重要になる。
- 日本草地学会の論文
- 2003-08-15
著者
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Hopkins Alan
Institute Of Grassland And Environmental Research
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WILKINS Roger
Institute of Grassland and Environmental Research
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HATCH David
Institute of Grassland and Environmental Research