健康指標としてのウエスト値とその関連要因について
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概要
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保健指導には,BMI(Body Mass Index,以下BMI)を初め,多くの健康指標が用いられているが,ウエスト値は,研究が少ないのが現状である.そこで,ウエスト値とBMIの関連,食生活,日常生活習慣との関連を明らかにするために調査を行った.A建設会社に勤務する35歳以上の男性社員213名を対象とし,定期健康診断時に,自記式質問紙と,ウエスト値測定,血液生化学検査による調査を行った.BMI,収縮期血圧,拡張期血圧,中性脂肪,GPT,γ-GTP,空腹時血糖値での異常値群は,正常値群と比較し,有意にウエスト値が太かった(p<0.04).ウエスト値と日常生活習慣の関連においては,揚げ物および外食を週4-5回以上摂取している群(p=0.004),運動習慣が週に2-3回以下の群(p=0.025)はウエスト値が有意に太かった.ロジスティック解析では,ウエスト値に関連が見られたものが疾病の有無(オッズ比2.10,p=0.046),検査値異常の有無(オッズ比3.54,p=0.009)であった.以上より,ウエスト値は健康指標の1つとして使用可能と考えられ,揚げ物や外食を控えたり,運動習慣を改善したりすることでウエスト値をコントロールし,内臓肥満予防に繋げることが出来るのではないかと考える.
- 社団法人日本産業衛生学会の論文
著者
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神里 みどり
沖縄県立看護大学
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田内 香織
岐阜県立看護大学
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神里 みどり
名古屋大学 大学院医学系研究科
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神里 みどり
名古屋大学 医学部保健学科
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渋谷 基子
名古屋大学医学部保健学科
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田内 香織
名古屋大学医学部保健学科
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