ブルガダ型心電図を呈した症例の検討(健康診断時の対応)
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概要
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ブルガダ型心電図を呈した症例の検討(健康診断時の対応):岡崎俊典. 中央郵政研修所健康管理室-ブルガダ症候群は, 1992年Brugadaらにより, 心電図上右側胸部誘導(V1〜V3)に, ST上昇と特徴的な波形を有する疾患として発表され, 突然死を来す可能性があることが知られている. これを予防するには植え込み型除細動器(ICD)を装着する以外に治療法がないといわれている. しかしブルガダ症候群の診断が明確でないため, Brugada型心電図(B-ECG)の頻度にバラツキがあり, B-ECGを呈した症例をどのように取り扱うか明確な指針はない. 我々は, 当研修所に入所した過去5年問の研修生と教職員計3,876例について, 欧州心臓学会の診断基準によってB-ECGを判定し, ブルガダ症候群の取り扱いを検討した. B-ECGは35例(0.9%), タイプIは5例(0.13%), タイプIIは21例(0.54%), タイプIIIは9例(0.23%), Coved型2例, Saddle-back型7例で, 一般にいわれている頻度0.3%より多い. ブルガダ症候群は, タイプIに加え失神発作を認めた1例(0.026%), B-ECGを呈した35例中1例(2.9%)で, ICD植え込み術後は失神発作を認めなかった. また, 一般心電図において一肋間上げて記録することによってブルガダ型波形が顕著になる症例を認めた. 健康診断時の対処について, タイプIはVTの発症と最も関係があるため, 症状がなくても専門医を受診させるべきであり, タイプII, IIIの症例も45歳以下の突然死の家族歴, 失神発作または夜間苦悶様呼吸の既往があれば, ブルガダ症候群を疑い精査すべきであると考える. (産衛誌2005;47:33-39)
- 社団法人日本産業衛生学会の論文
- 2005-01-20