広告デザインへのパブリック・リレーションズ理論の導入 : 日本の戦後復興期における広告デザインの諸相(1)
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概要
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本論は、戦後日本の広告界が受容したPR理諭の、広告デザインに対する影響を論述する。同理論は敗戦後極端な物資不足にあった復興期の日本にGHQの指導によってもたらされた。1930年代の経済不況下の労使関係改善あるいは余剰製品販売戦略として米国で発展した同理論は、こうした背景の違いもあって、日本では企業(官公庁)が大衆に民生企業(団体)として認知されるために必要な戦略として主に理解され広まった。同理論は導入当初、官公庁の広報活動に意識改革を喚起し、ポスターなどの広告デザインに応用された。1950年以降の景気回復期には、影響は民間企業にも拡大され、複数企業による連合広告の形態を経て、個別企業の広告表現にも採り入れられた。その広がりの強大さは、多様な業種の広告に、具体的な製品宣伝を目的としない「企業広告」の形式が増大したことに現れている。本論は復興期における日本の広告のデザインに、企業イメージの遡及という役割が付加されたことによってもたらされた変化の過程を、PR理論受容による広告関係者の意識変革と、広告表現の概念化に視点を置いて論じていく。
- 日本デザイン学会の論文
- 2001-11-30
著者
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