A.M.カッサンドルの幾何学的画面構成技法 : 1930年代までのポスター作品を中心に
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
A.M.カッサンドルはポスター・デザイナーとして, 主に1920年代後半から1930年代後半に, フランスを中心に活躍した。彼の作品の画面には, この時代に特徴的なスタイルである幾何学的な構成が顕著にうかがえる。本稿の目的は, 彼のポスター制作における技法と造形理論を考察し, 数学的な視点から分析して、体系づけることである。また本稿は、彼の画面構成が, 単に装飾のための技法によるものではなく, 理論を伴った機能的なデザインによるものであることを証明することを試みた。特に, 技法の再現と分析には, コンピュータを利用した。結論として本稿は, 彼の技法が, 「機能主義に基づく幾何学の利用」を意図していることを指摘した。また, この技法の成立と展開が, ポスターの印刷される紙面と, 印刷技術へのアプローチから導き出されたものであったことを明らかにした。
- 日本デザイン学会の論文
- 2000-03-31