動的視点によって描かれる三次元空間図形の分割比に関する実験的研究(II)
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概要
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コンピュータによる空間(立体)の表現は透視図法を多用している。しかし透視図法による3次元表現はそれ自体の構造的な問題によって歪みが生じる。それゆえ制作の際、人々は自分の感覚によってそれを修正していると考えられる。この修正される量を定量的に抽出すれば、最も好まれる3次元イメージを作り上げることも可能であると考えられる。本稿は、このような観点から視点移動を前提とし、バランスのとれた空間図形の分割傾向を実証的に検討した。その結果、視高だけを変化させた予備実験と同様に分割比1:1.5(線分gh上)は視点を移動させてもほとんど変わらないことが明らかになった。さらに、この結果を透視図法(逓減比)と比較することから、,空間比例モデルを抽出することができた。このモデルの特性は、数理的な秩序や統一感を喚起する相似形の反復である。これは、美しい3次元イメージを生み出す基本条件を備えていると考えられる。
- 日本デザイン学会の論文
- 2004-03-31
著者
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