大隅地方の恙虫に関する研究 : 第一報 分布及び季節的消長
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概要
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1955年3月から1956年3月まで約1年間, 鹿児島県肝付郡串良町を主として, 他に同郡高山町・内之浦町・佐多町・宮崎県串間市等で捕獲した野鼡56頭及びタヌキ1頭から, 897匹3属13種の恙虫を得た.ハタネズミ, アカネズミ及びヒミズモグラには寄生を見たが, ドブネズミ12頭には全く寄生を見なかつた.3属13種の種別はT. fuji, T. kuroshio, T. kansai G. saduski, T. murotoensis, T. scutellaris, T. japonica, T. kitasatoi, T. kochiensis, Shunsenia tarsalis, T. miyajimai, T. pallida, T. intermediaである.本地方にも他地方と同様各種の恙虫の棲息があるものと考えられる.又タヌキより恙虫病伝染をなすと思われるT. scutellarisを多数に認めたことは, 佐多地方は風土病の多い地方だけに興味ある事と思う.
- 1958-08-10