鹿児島地方の恙虫に関する研究 : 第一報 鹿児島地方における恙虫の分布について
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概要
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1)昭和30年2月より昭和32年3月にわたり鹿児島地方について恙虫分布の調査を行つた.調査地点は鹿児島市郡9地点, 指宿市郡5地点, 枕崎市1地点, 川辺郡2地点, 加世田市1地点, 日置郡3地点, 串木野市1地点, 薩摩郡3地点, 姶良郡6地点の計31地点である.但し恙虫採集地点は鹿児島市内4地点, 川辺郡1地点, 串木野市1地点, 薩摩郡2地点, 姶良郡3地点で計11地点であつた.2)恙虫採集地区における捕獲宿主はアカネズミ28頭, ハタネズミ25頭, クマネズミ7頭, ドブネズミ41頭, ジヤコーネズミ26頭, イタチ5頭計3属6種132頭であつた.3)各宿主より採集した恙虫は4属12種計1, 572である.即ちT. pallida 478, T. scutellaris 292, T. fuji 349, T. kuroshio 127, T. japonica 65, T. kitasatoi 3, T. miyajimai 1, T. murotoensis 100, T. kansai 1, G. saduski 51, D. okabei 62, E. ikaoensis 43.4)各宿主1頭平均恙虫附著数はハタネズミが最高で, 次いで, ドブネズミ, アカネズミ, ジヤコーネズミ, クマネズミの順であるが, 尚イタチも相当高い数値を示した.5)気温及び降水量の恙虫の分布に対する直接影響はみられなかつた.6)恙虫の地形別分布では当調査地区に於てT. pallidaは耕地にT. fuji, T. kuroshio, T. japonicaは採草地に好んで棲息するように思えた.
- 1958-08-10
著者
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