煙霧の残留効果に関する実験第 1 報 0.3% DDVP 油剤のイエバエ成虫に対する効果について
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概要
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室内に煙霧した際の0.3%DDVP油剤残渣について, イエバエ成虫を供試した殺虫実験と化学分析との双方から検討をおこなつた.煙霧は実験用の板を設置した屋内に1m^3当り1mlの割に吹き込み, 煙霧後1時間密閉し, 実験用の板をとりはずした.2時間後, 3日後, および6日後の残渣面に, 高槻系イエバエ20頭宛を接触させて, 時間-落下仰転虫数率を調べた.煙霧2時間後のベニヤ板による結果では, 吹込口よりの距離が近い程殺虫力が強く, また噴出口に対して垂直の面の効力が最強で, 以下, 水平面, 平行面であつた.煙霧3日後のベニヤ板の結果では, 噴出口より5mの距離の垂直面, 水平面でなお殺虫力が残存し, 煙霧6日後においても, 噴出口より5mの距離の垂直面で殺虫力が認められた.また, 噴出口より10mの距離の天井に設置したベニヤ板の殺虫力は, 3日後まで認められた.ベニヤ板のそばに併置したガラス面での残効は認められなかつた.また, 噴出口の正面, 距離10mのところに設置した板の材質を変えた場合, その殺虫力の順位は, 塗料ぬりベニヤ≧ベニヤ>ボード>テックス>塩化ビニール板>シックイであつた.以上の実験結果によれば, DDVP油剤の煙霧で, 屋内の天井や壁面にイエバエを斃しうる殺虫力がつくことが推察される.
- 日本衛生動物学会の論文
- 1965-12-30
著者
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石田 正臣
呉羽化学工業株式会社錦研究所
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鈴木 勲
呉羽化学工業株式会社
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高木 梅作
呉羽化学工業株式会社
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畑中 正義
呉羽化学工業株式会社
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小松崎 勇
呉羽化学工業株式会社
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石田 正臣
呉羽化学工業株式会社
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