日本で採れたキョクトウサソリ (Buthus martensii Karsch)
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概要
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(1) 1955年7月25日, 筆者の1人米沢は, 兵庫県神戸市須磨区外浜町須磨浦, 妙法寺川河口の砂浜において2匹のサソリを採集した.(2)サソリは海岸の湿気を帯びた岩石の下に潜伏棲息していた.(3) 2匹のうちの1匹は著しく破損したので, その1匹について形態学的検討を行つた.(4)本例は種的特徴が, キョクトウサソリButhus martensii Karschに最もよく似ている.(5)触鬚の鉗, 性扉の性質から, 性は雌であり, その体長などから見て成体と認められる.(6)分類上の重要標徴である櫛状器の牙状突起数が27枚なること, 両側眼数が3コである点に異常が見られる.(7)これまで, キョクトウサソリが, 日本の本土から採集された例が無く, 本例はその最初の例である.(8)本例は, その棲息場所の地理的環境から見て, 恐らくは, 産地から船舶の荷物に付着して来たものが, 偶然の機会に上陸し, 棲息していたものであろうと考えられる.
- 1960-08-31
著者
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