上海の都市環境におけるゴキブリの生息場所の選択

概要

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上海の都市環境に生息する家住性ゴキブリの生息場所の選択について, 集合住宅, ワンルームレストラン, およびホテルレストランにおいて1カ月に2日間, 粘着トラップを15m^2に1トラップの割合で配置して, 2年間調査を行った。ホテルレストランでは, チャバネゴキブリが全捕獲数の96%を占めたのに対し, 集合住宅では94%がクロゴキブリであった。ワモンゴキブリはいずれの環境下でも2∿6%しか捕獲されなかった。ワンルームレストランは, 温度, 食料, 水との関係で他の場所との中間的な環境であり, チャバネゴキブリは76%, クロゴキブリは19%捕獲された。上海の都市環境におけるチャバネゴキブリとクロゴキブリの生息は, 冬季のビル内の温度条件や年間を通じての豊富な食料と水によって決定されると思われ, ホテルレストランは冬季加温されるのでチャバネゴキブリが周年見られる。また冬季加温されない集合住宅ではクロゴキブリが夏期の間最も普通に見られ, 捕獲数は1987年では7月に, 1988年では7月と10月にピークを示した。
1990-12-15