八重山群島の蚊科に関する研究 : 4. 本邦より新たに発見された Uranotaenia lateralis Ludlow, 1905
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概要
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琉球列島の南端, 西表島の古見地区で1977年10月ライトトラップに誘引されたチビカ属の蚊はこれまでに本列島から記録がないUranotaenia lateralis Ludlowと同定された。その後, 1978年10月6日にも同地域の禾本科植物が繁茂する一時的小溜で本種の幼虫が, Culex fuscocephala Theobald, Culex tritaeniorhynchus Giles Culex pseudovishnui Colless, Culex sitiens Wiedemann, Culex, halifaxii Theobald, Coquillettidia crassipes (Van der Wulp), Mansonia uniformis (Theobald), Anopheles sinensis Wiedemannの幼虫とともに多数採集された。本種は東南アジアに広く分布するが生態はまったく不明である。なお, 本種の成虫は胸背が黒かっ色で, 各腹節中央には白帯を欠き, 雄の前脚第1趺節の基部に顕著な剛毛を有するなどの特徴があり, 西表島に生息する既知種Ur. annandalei BarraudやUr. macfalanei Edwardsと容易に区別できる。また, 幼虫は触角先端の葉状毛を欠き, 頭部が淡かっ色である点で前述の2既知種と区別できる。なお, 本種は既知種の中で最も小さい(翅長 : 1.4mm)ので和名をコガタチビカとする。
- 1979-06-15
著者
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