多発性頭蓋内類上皮腫の1手術例
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概要
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症例は63歳の男性で, 全身痙攣を主訴として来院し, CTスキャンおよびMR画像にて右前頭葉と第4脳室の2カ所の腫瘍が明らかとなった.前頭開頭および後頭下開頭にて, 2期的に両腫瘍を摘出した.組織診断は, 両者とも類上皮腫で互い連続性のないことから, 類上皮腫が多発したものと考えられた.画像診断の進歩に伴い, 本症例のごとく重篤な神経症状を呈する以前に類上皮腫が発見される機会が増加すると思われ, そのMR画像所見と手術治療について考察を加えた.類上皮腫が頭蓋内に多発することはきわめて稀とされているため, 本症例を報告したが, 多発例の報告も今後増加するものと予想される.
- 1999-07-20