頭蓋咽頭腫の病理(<特集>頭蓋咽頭腫)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
Montefiore Medical Centorで経験した頭蓋咽頭腫の剖検症例および外科的に摘出された手術標本の申から,脳神経外利的に興味あると思われる症例を選び,その肉眼,光顕および電顕所見を記載した.頭蓋咽頭腫の組織学的診断上,最も重要な所見は扁平上皮の存在である.一方,その周囲を取り囲む結合組織およびその変化をみることも大切である.これにはcholesteraol cleftおよびそれに伴う多核巨細胞の出現,出血,ヘモジデリンを含んだマクロファージ,リンパ球の浸潤,石灰沈着などがあげられる.さらに,腫瘍が隣接する下垂体や脳実質の中に食い込むように広がる所見が注目される.腫瘍を取り囲む高度のグリオーシスを起こした脳組織には,それぞれ多数の著明なローゼンターノレ線維が出現する.こうした所見についての解説を試みた.
- 日本脳神経外科コングレスの論文
- 1997-04-20
著者
-
笠井 治文
Division Of Neuropathology Department Of Pathology Montefiore Medical Center
-
平野 朝雄
Division of Neuropathology, Montefiore Medical Center
-
平野 朝雄
Division Of Neuropathology Montefiore Medical Center
-
平野 朝雄
米国
関連論文
- 非ゴナドトロピン系下垂体腺腫におけるオンコサイト化
- 筋萎縮性側索硬化症の脊髄におけるHGF-cMet systemの発現に関する研究
- 汎下垂体機能低下症を伴ったラトケ嚢胞の周囲下垂体組織における炎症性変化
- 側頭葉内側構造に石灰化病変を有する難治てんかんの病理学的検討
- てんかん原性病変としてのdysembryoplastic neuroepitherial tumor (DNT) : GABA_A受容体の免疫組織化学的検索
- Superoxide dismutase-1 (SOD-1) 遺伝子の変異を伴う後索型家族性筋萎縮性側索硬化症の脊髄前角細胞における SOD-1 蛋白の局在
- 一枚の標本から
- Guam の病気から私が学んだこと
- 神経病理学に魅せられて五十年
- 現代における神経病理の意義--私の経験を踏まえて (特集 神経病理:最前線)
- 神経病理からみた神経疾患の変遷
- この半世紀における加齢に伴う脳神経疾患の変遷
- アメリカの神経学と日本の神経学
- Neuropathology of Parkinsonism-dementia complex on Guam
- 頭蓋咽頭腫の病理(頭蓋咽頭腫)
- このヒトに聞く 神経病理学の源流をたずねて--平野朝雄vs水澤英洋
- SOD1遺伝子異常を伴うFALSとトランスジェニックラット(H46R・G93A)とにおけるSOD1凝集とレドックス制御システムとの関連について
- 孤発性筋萎縮性側索硬化症患者の剖検脊髄におけるプロスタグランジンE合成酵素の免疫組織化学的局在
- Alzheimer病およびParkinsonism-dementia complex on Guam例の海馬歯状回顆粒細胞における神経原線維変化の免疫組織化学的検討
- Complicated Heraditary Spastic Paraplegia
- ノックアウトマウス/トランスジェニックマウスも含めた分子生物学的方法
- Neuron と Glia の突起を追って50年
- SQD1-G93Aマウス脊髄におけるカルボニル化合物の局在
- 変異ヒトsuperoxide dismutase-1 (SOD1)遺伝子発現トランスジェニックマウスの脊髄に出現するhyaline inclusion bodyにおけるSOD1の免疫活性
- 変異ヒトsuperoxide dismutase-1を発現するトランスジェニックマウスの脊髄運動ニューロン内硝子様封入体におけるadvanced glycosylation end productsの集積