神経線維腫症に合併した多発脳動脈瘤の1例
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概要
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症例は64歳の女性で,既往歴として高血圧にて内服中,neurofibromatosis type1 (NF-1)を40歳頃から指摘されている.家族歴としてNF-1は本人以外には認めていない.経過は,近医脳ドックで多発脳動脈瘤を指摘され,1995年7月3目に当科へ入院となった.脳血管撮影にて右MCAに嚢状の動脈瘤と,右BAに紡錘状の動脈瘤を認め,7目21目MCAの動脈瘤に対しclippingおよびWrappingを施行した.また右浅側頭動脈を生検し,病理に提出した.組織標本では内膜の高度の線維性肥厚と,肉弾性板の断裂を認めた.術後は経過良好にて8月4日に退院した.NF-1に脳動脈瘤を合併する例は18例報告されているにすぎない.今回は自験例を加えた19例の特徴をまとめ,さらに動脈瘤発生機序について考察を加えた.
- 日本脳神経外科コングレスの論文
- 1997-02-20
著者
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佐々木 光
慶應義塾大学医学部脳神経外科
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佐々木 文
慶應義塾大学医学部病理学教室
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福永 篤志
濱野生命科学研究財団 小川脳機能研究所
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石原 雅行
慶應義塾大学脳神経外科
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福永 篤志
慶鷹義塾大学医学部脳神経外科
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石原 雅行
慶鷹義塾大学医学部脳神経外科
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佐々木 光
慶鷹義塾大学医学部脳神経外科
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河瀬 斌
慶鷹義塾大学医学部脳神経外科
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