亜急性に血腫の増大した海綿状血管腫の1例
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概要
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脳内出血で発症後,血腫が亜急性に増大を示し症状の悪化を認め手術を要した海綿状血管腫のまれな1例を経験した.症例は68歳,男性.既往としてITP(idiopathic thrombocytopenic purpura)の疑いがあり血小板数の低値(10万/mm^3前後)を認めていた.一過性の意識障害で発症しCTにて右前頭葉に2cm大の皮質下血腫を認めた.その後CT上血腫は漸増し,見当識障害が出現するころには6cm大になっていた.発症17日目に行った手術では液状の黒色血腫とその外壁に1.5cm大のmassを認め摘出.血腫に被膜は認められなかった.摘出組織の病理は海綿状血管腫であった.海綿状血管腫からの脳内出血の後,血腫がほぼ持続的に増大した経過をとらえた報告はまれである.本例の特異な臨床経過には血小板の低値が一因となった可能性が考えられた.
- 2002-08-20
著者
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宮崎 宏道
平塚市民病院 形成外科
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若本 寛起
平塚市民病院 脳神経外科
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折居 麻綾
平塚市民病院脳神経外科
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石山 直巳
平塚市民病院脳神経外科
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田伏 将尚
済生会神奈川県病院脳神経外科
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石山 直巳
平塚市民病院 脳神経外科
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宮崎 宏道
平塚市民病院脳神経外科
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石山 直巳
平塚市民病院
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