内側側頭葉てんかんに対する経下側頭回選択的海馬・扁桃核切除術 : 手術手技と44例の治療成績
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概要
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難治性内側側頭葉てんかんに対して, 1990年以来, われわれは下側頭回経由で選択的海馬・扁桃核切除術を44例の患者に行った.治療成績は, てんかん発作消失(Engel class I)が39例(88.6%), 年3回以下の発作(Engel class II)が4例(9.1%), 発作が90%以上減少(Engel class III)が1例(2.3%)であった(追跡期間6〜131カ月, 平均57カ月).主な合併症は一過性精神症状(14/44;31.8%)と記憶力障害(5/44;11.4%)であった.術後総合および行為知能指数は有意に上昇した.てんかん外科が急速に普及している現状にあって, 下側頭回経由法は前脈絡膜動脈, 視放線を障害することが少なく, 迂回槽を開放することもない, 比較的安全な海馬への到達法と考えられる.
- 2001-10-20
著者
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久保 洋昭
国立療養所宇多野病院脳神経外科・精神科
-
森村 達夫
国立療養所宇多野病院脳神経外科・精神科
-
武内 重二
国立療養所宇多野病院脳神経外科・精神科
-
森村 達夫
国立療養所宇多野病院脳神経外科
-
深見 方博
国立療養所宇多野病院脳神経外科
-
武内 重二
木津川病院脳神経外科
-
武内 重二
国立療養所宇多野病院 脳神経外科
-
久保 洋昭
国立療養所宇多野病院脳神経外科
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