世界の鉄骨/イギリス・ヨーロッパ(<特集>鉄骨の生産構造の現状と将来)
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概要
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英国とヨーロッパ大陸の鉄骨建設について、材料、設計、施工の観点から整理してみた。鋼が主要な建設材料となっている理由のうち最大の要因は、鋼のもつ靭性と経済性である。これは、切欠き靭性の高い材料を使用すると同時に、強靭で変形能力のある骨組を設計し、材料の靭性を損なわない施工を適切な仕様で管理実施することによって達成できる。材料に関しては、過去の脆性破壊事故の経験に基づいて、板厚と使用温度に応じてシャルピー値を規定している。設計に関しては、英国をはじめ多くのヨーロッパ地域では幸い地震が少ないので、柱と梁の接合はほとんどピン接合である。ただし、ガス爆発によってピン接合骨組が連鎖崩壊した事故を契機に、半剛接合がテロ対策としても推奨されている。施工については、必要以上に高い仕様は経済性を損なうことに注意しなければならないが、疲労抵抗と塑性変形能力を必要とする個所には、材料の硬化を引き起こす成形加工は禁止しており、溶接施工も高い品質を要求している。(桑村仁)
- 1997-03-20
著者
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Dowling Patrick.
University Of Surrey
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Taylor J.
The Steel Construction Institute
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Taylor J.Colin
The Steel Construction Institute
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Dowling Patrick
University of Surrey