軸應力を無視せざる彈性アーチの解法と其の階段形梁への應用
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概要
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本稿を分ちて第一編と第二編とにする。 第一編 鐵骨構造や鐵筋コンクリート構造の二〓式或は無〓式アーチの解法に當つては軸應力の影響は僅少なりとして無視するを普通とするが、それではフラットな形の場合には非常な誤差を生ずる。フラットな場合の正當な解法については從來餘り研究されて居らぬ様に思はれる。本稿に於ては同様の場合の解法を補正の方法に據る事として、鐵骨構造竝に鐵筋コンクリート構造の二〓式或は無〓式パラボラ形及對稱山形フラットアーチについてその正當な解法を示したものである。 第二編 階段形に屈曲した梁は其の曲能率、剪力等を計算するに當つて眞直なる梁として取扱はるゝを慣例として居るがそれは理論的根據の檢討を經ての事ではなさゝうである。本稿は第一編を應用しつゝ階段形梁を彈性アーチとして理論的に解いて垂直荷重及び曲能率を受けた場合の眞相を明にし、なほ別に階段形梁を持つ架構の横力に對する計算方法解決の一端として同場合の柱の虚點の位置を明かにしたものである。(階段形梁の特別の場合としては單に水平に對して傾斜した眞直なる梁もあるがこれは曲能率、梁の軸に直角なる剪力共に眞直なる水平梁と全然相第しくたゞ軸應力を生じそれによつて端の反力が水平梁と異つて來るだけであるから特に論ずる迄もない。)
- 社団法人日本建築学会の論文
- 1932-02-25
著者
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