Broadening"Academic"Research: Adapting to University Reforms in Japan (特集 知的財産戦略とイノベーション)
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概要
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日本の大学は,大学における研究成果の事業化を促進するため,大学内の研究機能の変更を目指した制度環境に直面している。本稿では,大学教官,TLO関係者および企業の研究開発担当者,合計23名に行ったインタビュー結果をもとに,東京大学,とくに先端科学技術研究センターにおける新環境への取り組みを考察した。考察結果から,大学教官は近年の産学連携の高まりに対して,自分たちの役割を拡大しており,とくに自分たちの発明をもとにベンチャー企業を創設するなど,新しい制度環境を巧みに利用していることが指摘できる。加えて,受託研究や有料コンサルティングなどが以前に比べより多く見られる一方で,これまで行われていたような企業との情報共有の形態も依然として普及している。大学教官は自分たちの役割についての認識を拡大させており,基礎研究に加えて,商業化を目指した応用研究をも自分たちの役割の一つと見なしている。大学教官はある時には情報の公的な普及を望み,また場合によっては技術開発の独占的なチャンネルを望んでおり,これらの新しい役割の形成は,公的/私的独占的な側面における大学教官の選択肢の幅を広げていると言える。
- 研究・技術計画学会の論文
- 2004-02-20