サービスイノベーションの概念整理 : ITの役割と新指標の開発に向けて
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本調査研究においては,サービスイノベーションに関する概念整理を行うとともに,その活動を的確に反映させる指標の開発についての論評を行った。OECD諸国においては,産業活動や雇用におけるサービス産業の比重の拡大,いわゆるサービス経済化が進んでいるおり,サービス分野におけるイノベーションの促進が重要な政策課題となっている。その一方で,従来のイノベーション指標は,R&D等研究活動の状況をベースとしたもので,情報技術を活用した電子商取引等のソフトなイノベーションを把握するためには適当なものとなっていない。そこで,本調査研究においては,0ECDによるサービスイノベーションに関する概念整理(the Oslo Manual)を拡張した新たな概念を用い,OECD諸国におけるサービスイノベーション活動を分析するとともに,情報技術に焦点をあてて,各種指標の比較検討,新指標の開発に向けての展望を示した。これまでの指標については,R&DやIT投資等のコスト面のデータを用いたものが中心であったが,サービスイノベーションを的確に反映させるためには,需要サイドの要因も勘案した消費者余剰を計量経済学的に計測することが重要である。
- 研究・技術計画学会の論文
- 2003-09-19
著者
-
元橋 一之
東京大学工学系研究科技術経営戦略学専攻
-
元橋 一之
Institute Of Innovation Research Hitotsubashi University:research Institute Of Economy Trade And Ind