イラクサ科の分類学的研究 1. : タイ国産ヤブマオ属
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概要
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東亜のヤブマオ属の分類は種の範囲づけに関して多くの問題があり,種類誌的研究が必要である。ここでは1979年のタイ国植物調査で得られた資料を基礎に,タイ国産の種類について分類学的整理を行ない,14種1変種を認めた。うち3種は新種である。B. niveaとB. thailandica,B. malabaricaとB. glomerulifera,B. clideiomidesとB. diffusa,B. polystachyaとB. chiangmaiensisなどは今回の検討によって,種としての独立性が確められた。種間の類縁に関しては,種の同定作業の過程で観察されたいくつかの形質をもとに,各種の記載の後に簡単なノートを付記した。日本産の種との関係が示唆されるものもあり,最近等島が記載したヤエヤマラセイタソウは,今回新種として認めたタイ北部とジャワに産するB. pseudotomentosaやヒマラヤ産のいくつかの種との類縁が考えられる。
- 日本植物分類学会の論文
- 1981-06-15
著者
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矢原 徹一
Botanical Gardens, Faculty of Science, The University of Tokyo
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矢原 徹一
Botanical Gardens Faculty Of Science The University Of Tokyo
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矢原 徹一
Department of Botany, Faculty of Science, Kyoto University