アリューシャン列島産の紅藻フチトリベニ属二種
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
北海道大学探検部アリューシャン列島踏査隊によって採集された紅藻フチトリベニ属 Rhodophysema 二種について報告した.Rhodophysema elegans (C_<ROUAN> frat. ex J. A_G.) D_<IXON> には四分胞子体の他に雄性配偶体が確認され,本種の精子嚢形成について報じた.キクイシコンブ Thalassiophyllum clathrus の茎状部に着生していたものを新種 Rhodophysema nagaii M_<ASUDA>, sp. nov. として記載した.本種は千島列島の海藻を研究した故永井政次博士が Rhododermis parasitica B_<ATTERS> (和名,コブノハナ) としたものと同種であるが,真の R. parasitica (=Rhodophysema elegans) とは四分胞子嚢が長い柄細胞列を持つこと及び,側糸が長いことで異なる.これらの形質において, R. nagaii は R. africana J_<OHN> et L_<AWSON> 及び R. feldmannii C_<ABIOCH> に似ているが,種々の点で区別される.
- 日本植物分類学会の論文
- 1978-11-30
著者
関連論文
- 紅藻Rhodophysema elegansの分類学的研究
- 紅藻シノブバノコギリヒバとカムチャッカノコギリヒバについて
- 紅藻アリュウシャンノコギリヒバについて
- 日本の紅藻アカバ属
- アリューシャン列島産の紅藻フチトリベニ属二種
- 紅藻類の一新属ベニゴロモ属について
- W. H. Harveyによって日本から記載された紅藻の選定基準標本の指定