2-13 新技術採用時のプロジェクト管理のあり方
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概要
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情報システム開発の大きなリスクの一つとして, 未使用の新技術を採用した場合がある. 新技術は未知のファクターが多く, またその手法も確立されていないケースが多い. したがって新技術を採用したプロジェクト管理は, 実績が当初の計画から大きく乖離して行く要素を多く含んでいると考えられる. 今回の報告では実際に著者が経験した事例を題材に, 新技術を採用した時に発生した問題点とその対応策について考察している. 事例としては, Webを利用した受発注EDIシステムの開発である. この開発では, 従来経験のあるCGI技術ではなく, Web用アプリケーションサーバおよびそれに付随する開発ツールを使用した. 特にこのツールに関しては弊社としての採用が初めてであるばかりでなく, 一般的にもまだまだ開発事例が少ないものであった. 発生した問題領域の中で今回特に重点を置いた分野は, 組織, タイム, およびコストの3つのマネジメント分野である. 限られた納期の中で, 要求仕様を満たすプロダクトを如何に効率良く開発するかが, 大きなポイントであった. 各々の問題領域に対しそれぞれ固有の対策を実施したが, 共通的に言えることは早期にリスクを検知し, 的確な対策を打つことが結果的に高い効果が得られた. 報告の中では, 実際の対策が及ぼした効果とその有効性についてまとめている. 本稿が, 新技術採用時におけるプロジェクト管理のあり方の参考として頂ければ幸いである.
- プロジェクトマネジメント学会の論文
- 2000-09-25