日本の自動車産業の推移と九州の対応・その後 : 経営的視点からの分析
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概要
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わが国の自動車産業は大きな転機に直面している。その背景は、バブル崩壊後の長い景気低迷による販売不振のほか国内需要の一巡、さらにはメーカー各社の海外生産の強化といった戦略の転換が挙げられる。この結果、高度成長期以降に続いてきた、いわゆる規模と業績の「右肩上がり」は完全に終止符を打ち、今後は一転して過剰設備の処理、関連企業との取引形態の見直し、人員削減など厳しい局面が予測される。こうした中で30年近い歴史を持つ九州の自動車産業は、近年、工場の機能強化と生産車種の拡大、関連企業の定着、さらには地場企業による関連部品の生産拡大といった動きが見られる。また、従来の系列を超えた取引や他分野の地場企業との連携など新たな自動車コンプックス(産業複合体)の形成が見られるなど、全国とは異なる展開である。今後の課題は、地場産業関連企業の技術力や資本力のさらなる向上である。
- 日本マネジメント学会の論文
- 1999-06-25