中欧諸国におけるコーポレート・ガバナンスの課題
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概要
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コーポレート・ガバナンスの国際比較を考察するとき,重要な問題は,ガバナンス構造が収斂するのか,多様化していくのかという問題である.本報告では,ハンガリー,チェコ,ポーランドにおけるコーポレート・ガバナンスの状況を考察することで,この問題にアプローチする.社会主義計画経済から資本主義市場経済への転換において,重要な問題の一つは,国有企業の私有化である.国有企業の私有化には主に次の5つの方法がある.(1)自主的私有化(2)外部者への売却(3)企業関係者への売却(4)バウチャー私有化(5)旧所有者への返還,である.ハンガリー,チェコ,ポーランドはそれぞれ異なる方法を利用して,私有化を進めていった.私有化が進展していくにつれて,コーポレート・ガバナンス問題の焦点は,所有権から経営の効率化へと移っていく.経営の監視役として期待された投資基金はそれほど大きな役割を演じることはなく,また,外部投資家(外国資本)の役割も限定的なものである.
- 日本マネジメント学会の論文
- 2000-06-16
著者
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