ITアウトソーシングにおけるモラル・ハザードと逆選択 : リスク・マネジメントの視点からの一考察(<特集>リスク・マネジメント)
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概要
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様々な新規プロジェクトや既存事業の遂行において,ITアウトソーシング(以下ITOと略す)は頻繁に利用されている.情報通信技術の急速かつ多様な進展を背景にした経済環境の中で,企業の経営戦略に合致した適時,適切なITの外部資源の活用は,収益に直結し,その経営品質を高め,企業価値の極大化に貢献する.しかしその一方で,こうしたITOは,その企業の期待リターン(expected return)を吸収してしまうようなダウンサイドの(ITマネジメント)リスクも同時に孕んでいると言える.本稿は,企業の有効な戦略となりうるITOを対象として,リスク・マネジメントにおける古典的で主要なリスク構成要素であるモラル・ハザード(moral hazard)と逆選択(adverse selection)について考察するとともに,主に発注者の観点から,受託者との間に生起するそのようなITOリスク統制の基本的方向性を探る.
- 2003-04-15