熱帯における野菜, 豆類を中心とした輪作体系の確立 : 第2報 輪作に伴う土壌養分の変化
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概要
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野菜, 豆類を中心とした種々の輪作体系下における土壌養分の変化とその作物収量に及ぼす影響が4年間に亘って検討された.主要な土壌養分は作付体系, 栽培時期, 肥料や堆肥の施用量により容易に変化したが土壌pHは10回連続して様々な作物を栽培した後でも, わずか1単位しか変化しなかった.土壌ECは作付体系よりも作付時期に大きく影響された.リン酸を除く土壌養分は降雨量に比例して減少した.堆肥施用は土壌中の全チッソ, 有効態リン酸やカリを増加させたが, 稲ワラマルチは土壌中のリン酸やカリを増大させるばかりでなく, 多雨による著しい収量減を防ぐのに重要であった.収穫後の土壌養分量と当該及び次期作物収量との間にはいずれも高い相関は見られなかった.これらの結果は, 熱帯における野菜並びに豆類の収量を制限する最大の因子は夏期の高温, 多雨であり, 土壌肥沃度は二次的因子であることを示している.よって, 耐暑性品種の導入やマルチ, ハイポット等の栽培技術により制限因子を克服することが重要である.
- 日本熱帯農業学会の論文
- 1990-08-25
著者
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今井 秀夫
アジア野菜研究開発センター:(現)農水省農業環境技術研究所
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今井 秀夫
農水省熱帯農業研究センター
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鎌田 和彦
東北タイ農業開発センター
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馬 清華
アジア野菜研究開発センター
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楊 玉峰
アジア野菜研究開発センター
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