グアユールゴムノキにおける塩化マグネシウム耐性系統の選抜
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概要
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グアユールゴムノキ(Parthenium argentatum Gray)の耐塩性系統育性の一環として, 5系統を用いて耐MgCl_2系統選抜試験を水耕栽培法で実施した。ホーグランド水耕溶液に加えた最終的Mgストレス水準は, 15,40,70meq/lの3水準とした。測定は草丈, 乾物重, 茎葉重/根重比(S/R), 生存率, 組織の無機成分分析に関して実施した。得られた結果の概要は次の通りである。1.地上部及び根部の成育はストレス増加につれて抑制され, 草丈は直線的に減少し, 根部乾物重はMgストレスが15meq/lを越えてから減少し始めた。2.系統593はMgストレス増大につれ, S/Rを減少させて高生存率を示した。このS/Rは生存率と密接に相関していた。系統565IIは高Mgストレス条件下で最低の生存率を示し他の系統はその中間であった。3.全体的にMgストレス増大につれてCaとKイオンの吸収が桔抗作用により抑制されたが, 系統593は高Mgストレス条件下でもCa及びKイオンを正常に吸収出来る生理的機能を持っているように思われた。4.系統593は, 高Mgストレス下での生存率は高かったが乾物生産が低く, 一方, 生存率が中位の系統N-396は, 中位のMgストレス下で高い乾物生産を示した。今後の有望系統を選抜する基準として, 高塩濃度下における生存率と高乾物重の2つの指標が有用と思われる。
- 日本熱帯農業学会の論文
- 1990-05-25