乾燥ゴマ(Sesamium indicum L.)種子の超低温保存 : 1.低温暴露と冷却速度の発芽率に及ぼす影響
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
安全な超低温保存法を開発するために, ゴマ3品種を用いて, 乾燥ゴマ種子の低温障害と冷却速度との関係を調査した.種子を水分含有率2%程度に乾燥し, ポリエチレン袋に脱気密封した後, 冷アルコール液やプログラムフリーザーを用いて低温に暴露した.供試品種中もっとも低温感受性の高い真瀬金ゴマでは, -20℃の冷アルコール処理で発芽率の低下が認められたのに対し, 感受性の低い長野小川在来では液体窒素気相貯蔵後も高い発芽率を維持していた.他方, -0.5℃/分の緩やかな速度で-60℃まで冷却した場合には, 真瀬金ゴマでも発芽率の低下は著しく軽減され, その後液体窒素気相に移しても発芽率の低下は認められなかった.これらの結果から, -60℃までの冷却速度が低温障害の発生に密接に関係していることが明らかになるとともに, 乾燥ゴマ種子の超低温保存の場合, -60℃まで緩やかに冷却すれば感受性品種でも障害を回避できることがわかった.
- 1993-09-01
著者
-
宮崎 尚時
農業生物資源研究所
-
宮崎 尚時
農業生物資源研
-
ウェラセナ リヤナ
スリランカ, アングーナコラペレッサ地域農業試験場
-
ウェラセナ リヤナ
スリランカ アングーナコラペレッサ地域農業試験場
関連論文
- 乾燥ゴマ(Sesamium indicum L.)種子の超低温保存 : 1.低温暴露と冷却速度の発芽率に及ぼす影響
- 国際協力によるジーンバンクの現状と課題 (特集 遺伝資源に関する国際協力)
- 新しい農業生物資源ジーンバンク体制と今後の活動の展望
- 農業生物資源ジーンバンクの役割と展望
- 特別寄稿 在来種や野生種に秘められた有用遺伝子の利用にあたって
- 遺伝資源をめぐる国内外の動向 : 生物の多様性に関する条約のもとで
- 国際的規模における生物資源の利用・保全 (農林水産業研究における国際貢献)