耐塩性の簡易検定法
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概要
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育種に利用しうる簡易な耐塩性検定法を開発するため, 9種類の作物を供試して実験を行なった.発芽後草丈1〜2cmに生長した幼苗を, 砂を充填しNaCl水溶液により塩濃度を調整した, 直径9cmのシャーレに移植して砂耕栽培を行ない, その後の生育を比較した.塩濃度は0,0.5,1および2%で, 1個のシャーレに5個体を供試し1区制である.移植後約10日目に草丈を測定した後, 塩濃度に対する草丈の回帰係数を各作物毎に計算して回帰係数の絶対値が大きい作物ほど耐塩性が弱いと判定した.ただし, 塩濃度は0,1,2,3と対数的に表わし, また, 各作物の草丈の差を消去してより正確に耐塩性を表わすために, 回帰式の各項をその常数項で除し100倍して標準化した.実験結果によれば供試作物の耐塩性の強弱は次のようであった.ワタ>イネ>トウモロコシ>ロゼル>ナンヨウアブラギリ>ハトムギ>ソバ>ピジョンピー, マングビーンこの序列はほぼ従来の結果と一致しており, この検定法は有効に利用しうるものと思われる.この方法は供試する種子が少数でよく, また, 比較的短時間で検定が可能であるので, 多数の材料を検定する必要がある育種利用に適している方法と思われる.
- 1993-03-01