ホホバの種子重が形態および品質に及ぼす影響
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概要
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アメリカ合衆国とメキシコの国境付近の乾燥地に自生している雌雄異株植物であるホホバ(Simmondsia chinensis L.)は未だ品種が確立していない.そこで, アメリカ合衆国アリゾナ州Hyder地域の4ケ所から収集した種子(A, B, C, D系統と呼ぶ)を用いて, 種子重と種子の形態および品質との関係について検討を行った.その結果, 各系統の種子重の分布についてみると, A, D系統では0.61〜0.80g, B系統では0.21〜0.40g, C系統では0.41〜0.60gの種子が最も多かった.種子の形状のうち長さは, 小粒系統のB系統が種子重の増加に伴って最も大きく変化したが, 他の3系統では差が認められなかった.種子の長径, 短径には4系統間の差は認められなかった.種子中の油脂含有率は, 系統間に多少の違いは認められるが, 全体として, 種子重の増加に伴って増加する傾向が認められた.一方, タンパク質含有率と水分含有率は, 種子重の増加に伴って減少した.油脂の品質の中で利用する場合最も問題となる酸価は, 油脂含有率の低い種子の油脂が高く, 遊離脂肪酸が多くなる傾向が認められた.以上の結果から, 品種の選抜目標としては, 大粒種子で, 株当たりの種子生産量が高い系統の選抜・育成が望まれる.
- 日本熱帯農業学会の論文
- 1999-06-01
著者
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