カラー・テレビとインホーメーション
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概要
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カラー・テレビがモノクローム・テレビにくらべて, より大きい情報量をふくむであろうことは, 常識で考えても想像できる.これはまた, 単色映画が天然色映画にくらべてなんとなく, ものたりなく感ずることからも類推できる.しかしカラーとモノクロームとは, われわれの直感するほど, 情報量の差が大きいであろうか.その点には多少疑問の余地がある.例えば, 細い黒い境界線で大部分描かれた絵に, わずかの着色をしても相当の自然感をともなう点や, 普通の写真にちょっと彩色しても天然色に近い感じを与える点を考えると, 単純にカラーだから3倍の情報量をもつと考えるのは早計である.とくにNTSCのコンパチビリティを実証したのをみるにおよび, その感を深くする.著者はその点にかんがみて, さきにカラー・テレビの情報理論的考察を試み, これを定量的に明らかにした^<(1)>.今度, 編集委員の方から, 講座にむくように書け, という御注文であるから多少前の論文と重複するかも知れないが, 前論文の誤りも訂正しつつまとめてみた.順序として, カラー・テレビの説明に必要な情報量の概念をのべ, つぎに視覚を通して単位時間に人がうける情報量, すなわち通信容量のことを説明し, それからカラー・テレビの情報量について解説してみたい.またインホーメーション理論の立場から, カラー・テレビの符号化案についても言及しよう.
- 一般社団法人映像情報メディア学会の論文
- 1956-04-01
著者
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