神経回路モデルによるランダム興奮パターンの生成とその性質
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概要
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物事の時間的な関係は, ニューロン間の結合の重みの形として, どのように静的に貯えられているのだろうか.その問に答えるため現在までHebb学習を修正したいくつかのモデルが提案されている(Foldiak1992,Griniasty et al.1993).本論文ではそれら以外にも, 外界に提示される事項とは独立に, 事項に対する内部表現(ランダム興奮パターン)が神経回路により自発的に生成されることにより, 記憶すべき情報が符号化されて貯えられている可能性を理論的に考察する.具体的には, ランダムで対称な結合をもつ回路モデルを用い, ランダム興奮パターンを生成する方法を示し, 生成されたパターン間の距離, パターン間の生成順序に依存する特徴, 等の統計的性質を調べた.最後に, 記憶の生理学的な実験事実との対応について議論する.
- 社団法人映像情報メディア学会の論文
- 1996-06-21