ポリマー分散型液晶を用いた直視型TFT-LCD(<論文特集>ディスプレイJapan Display'92を中心として)

概要

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我々は, ポリマー分散型液晶パネルと一対の偏光板とを組合せて, 広い視野角を有するTFT液晶ディスプレイを実現した.PND(Polymer Dispersed LCD with crossed Nicols)と命名した.PNDではそれほど散乱性の高くない液晶パネルを用いることが可能なため, フッ素系液晶を用いることができた.SP(Solubility Parameter)値の小さい樹脂がフッ素系液晶に対して相溶性の良いことがわかった.試作したパネルの電圧保持率(98.2%)はTN型並みである.上下視野角(コントラスト5以上でかつ表示反転の生じない視野角)は, ±60゜と, 従来のTN型(+30゜, -10゜)の約3倍である.ポリマー分散型液晶の液晶分子配向が対称的であり, 視角による複屈折の変化が抑えられているためだと考えられる.TFTパネルに適用し, コントラストの低下や表示反転のない10.4インチフルカラー表示を実現することができた.
社団法人映像情報メディア学会の論文
1993-05-20