植物培養細胞による天然抗腫瘍活性化合物の効率的生産に関する研究
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概要
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医療の場で使用する医薬品の30-40%が何らかの形で植物に由来するという事実が示すように, 植物は, 現在においても有用な薬用資源である. わが国はいまだかって経験したことのない超高齢化社会を迎えようとしており, 癌疾患を始め種々の慢性疾患が増加している. これらの疾患の治療あるいは予防に有効な化合物の出現が強く望まれている. 薬用植物の生産する二次代謝産物の中でも, タンニン及びその関連のポリフェノールは, 一般に強い抗酸化活性を示すことから, 活性酸素障害に関連する癌, 動脈硬化, 糖尿病など様々な慢性疾患の予防への応用が期待され, 注目されている化合物群である. また, ビワのように民間的に癌治療に有効とされながら, その有効成分が未解明な植物も多く存在する. 一般に, 薬用植物の生産する二次代謝産物の供給は, 栽培や野生株の採取によっており, 季節, 場所, 栽培条件, 植物体の部位などによって生産性が異なり, 含有量も一定ではなく, 供給は必ずしも安定していない.
- 2005-06-01