ヘキソバルビタール代謝研究の新たな展開 : 立体選択的代謝,グルタチオン抱合反応関与の新代謝経路並びに3-ハイドロキシヘキソバルビタール脱水素酵素
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概要
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Hexobarbital(HB)は第二次世界大戦後の日本で睡眠薬として繁用され, 自殺に使用されるなど裁判化学的にも問題になった薬である. 故塚元久雄先生は薬物鑑定において, 母化合物が検出されなくてもその代謝物を尿中に同定できれば有用であろうとの洞察の基に, HB代謝研究を開始された. 当時は薬物代謝研究の黎明期であった. HB投与ウサギの尿中代謝物の同定, ウサギ肝のスライス, ホモジェネート, ミクロソーム画分, 可溶性画分などを用いてHBの代謝経路, 反応機構の解明が精力的になされた. 2-8)HBの尿中代謝物としては, 3'-hydroxyhexobarbital(OH-HB), 3'-oxohexobarbital(Oxo-HB), 脱メチル同族体, バルビツール環の開裂生成物などが報告されている. HBはまず, 肝の膜画分ミクロゾーム(cytochromeP450)とNADPH並びに酸素の存在下3'位が酸化を受けてOH-HBとなり, さらに肝の可溶性画分に存在するdehydrogenaseによりOxoHBに脱水素され, これがHBの主代謝経路となっている(Fig.1).
- 2004-12-01
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