サブタイプ及び種選択的ペルオキシゾーム増殖剤応答性受容体(PPAR)αリガンドの創製
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概要
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ペルオキシゾーム増殖剤応答性受容体(PPAR)はステロイド受容体,レチノイド受容体,ビタミンD受容体などと同様リガンド依存性の転写因子である.これまでに3つのサブタイプ(α,γ,δ)が同定されていて,特にPPARα及びγに関しては詳細な研究が進展している.1)PPARαは肝臓等脂肪酸異化能の高い組織に分布していて,脂肪酸の代謝や輸送に関連する遺伝子,コレステロールや中性脂肪の代謝に関連する遺伝子発現を制御している.2)PPARγは白色脂肪組織や褐色脂肪組織に顕在していて,脂肪細胞の分化誘導に対して中心的な役割を果たしており,成熟した脂肪細胞での脂肪の貯蔵を亢進させている.3-6)これに対しPPARδは骨格筋を含め各組織に普遍的に発現しているが,その機能に関しては不明な点が多い.しかし最近飢餓や長期間の運動でグルコース代謝から脂肪酸代謝へと代謝経路の方向付けを行う因子,飢餓時のエネルギー産生に関する中心的転写因子としての役割が報告された.
- 公益社団法人日本薬学会の論文
- 2004-11-01
著者
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