抗腫瘍活性バンレイシ科アセトゲニン類の系統的不斉合成法の開発
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概要
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バンレイシ科アセトゲニン類は, 炭素数32又は34の脂肪酸の2位にプロパン-2-オールのユニットが結合してγ-ラクトン環を形成した化合物群であり, そのほとんどが, 1から3個のテトラヒドロフラン(THF)環を有していることが特徴である. 1982年にUvaria acuminateから抗白血病作用を有するuvaricinが単離されたのを初めとして, これまでに350種以上の化合物が単離報告されている. 生物学的には, 細胞毒性, 抗腫瘍, 免疫抑制, 殺虫, 昆虫摂食阻害, 抗マラリアなどの広範囲な生物活性を示すことが明らかになっている. 特に, 抗腫瘍作用に関しては, 選択的に癌細胞の生育のみを阻害すること, また, アドリアマイシン耐性の癌細胞に対しても有効であることが認められている. さらに興味深いことにはアセトゲニンの微細な部分構造の相違によって, 癌細胞の種類に選択性が認められることがin vitroの実験で明らかにされている.
- 公益社団法人日本薬学会の論文
- 2004-10-01