硫酸バリウムけん濁液に対する縮合リン酸塩類の分散作用
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概要
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薬学分野で, けん濁製剤はよく用いられている剤形の1つであるが, その際主薬である分散粒子の凝集, 沈降を阻止する目的で, 塩類, 高分子化合物, 界面活性剤など適当な分散剤(けん濁化剤, 解こう剤)が助剤として添加されるのが普通であり, よりよい分散剤の発見, 開発が重要な問題とされている.一方従来から無機化合物粉末の水性けん濁化剤として縮合リン酸塩類が知られており, ^<1,2)>このものはまた食品添加物としても許可されているところから, けん濁作用のほか, 金属イオン封鎖作用, 乳化作用, pH緩衝作用などが各種製剤に利用されている.ところがこの縮合リン酸塩類には鎖状, 環状, 分枝網状のものが存在し, それらの化学は相当に複雑であり, ^<3,4)>したがって上記諸作用の機構についてはまだ未知の分野が多く残されている.そこで今回われわれは重合度を異にする鎖状の縮合リン酸ナトリウム(Graham塩)を自製し, これら化合物の硫酸バリウムけん濁液に対する分散作用を調べ, その分散機構を明らかにしようとした.特に硫酸バリウムけ濁液はX線診断用として内用するものであり, これが胃内の酸性mediumにおいて存在するとき分散性に変化が生じると, 造影効果に大きな影響を与えることは周知のことであるので, 分散作用と媒液pHの関係を中心に検討を行なった.
- 1967-07-25
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