モンシロチョウ Pieris rapae crucivora BOISDUVAL に寄生するアオムシコマユバチ Apanteles glomeratus L. の越冬
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概要
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DANILEVSKY(1961)の綜説によれば, オオモンシロチョウに寄生するソヴィエト連邦産アオムシコマユバチは, 宿主からは独立した光周反応により休眠する.そこで, モンシロチョウを宿主とする日本(東京)産アオムシコマユバチの越冬について調べた.1.10月および11月に野外でモンシロチョウ幼虫を採集し, その後も屋外で飼育した.その結果得られたモンシロチョウ蛹はほとんど休眠した.2.同時期に採集した宿主から脱出・営繭したアオムシコマユバチ繭を25℃に加温したところ, 加温後8∿12日めに羽化が開始された.3.秋期に得られたアオムシコマユバチ繭を, 冬期に屋外に放置しておくかまたは低温(5℃)においたところ, 放置期間または低温処理期間が長くなるにつれて羽化率が減少した.4.東京地方においては, モンシロチョウ幼虫を宿主とするアオムシコマユバチは, 休眠状態に入らずに越冬しているものと思われる.
- 日本昆虫学会の論文
- 1981-03-25